この本は、いかに川上さんがゲーマーとして優秀なのかということと、川上さんの経営手腕がうかがえる本です。
仕事を進めるうえでも非常に勉強になる本ですので、ここでは、本書のポイントをご紹介させていただきます。
持論を実行しちゃう面白さ
黎明期のドワンゴでは、いわゆる「廃ゲーマー(*1)」を募って、社員として雇っていたことがありました。われわれは、着メロなどの携帯電話向けサービスや「ニコニコ動画」を始めるまでは、オンラインゲーム専門の会社だったからです。
そして僕には、「ゲームに勝つためには論理的な思考力が必要だから、その達人レベルにある人間はプログラマーなどにも向いているのではないか」という持論がありました。それを実際に試そうとしてみたわけです。
この考え方、面白くないですか。ただ単にゲームで時間を潰している人ではなく、本気でゲームに向かい合っている人は、論理的思考力があると思い、それを実際に試すって…、すごいですね。
で、結果はというと、
しかし、実際にそうしたゲーマーたちを集めてみると、彼らの多くは、仕事もしないで本当にゲームばかりをしていました。そのため、雇用を長く維持することはできなかった。それでも最近になって、いったんドワンゴを辞めたあとに出戻りしたゲーマーの能力の高さを再認識することが多々あります。
仕事もしないでゲームばかりして、給料を支払っていたんですねw。それでも経営を続けていられた手腕はすごいですね。
現実社会は、一番難しくて面白いゲーム
この本には、ゲームが思考力を鍛えるというようなことも書かれています。
ただ、それは、ただ単にゲームをやればいいという訳ではなく、ゲームを本気でやる必要があるようです。
本気でゲームをやっている場合、攻略のために何時間、あるいは何日もかけて、いろんな角度から、どんな手を打つのが有効であるかを考え抜く時間を持つことがあります。そのようにして、「思考のフレームワーク」を鍛える訓練をした経験が、将来に対しても非常に役立つことになるのです。
たしかに、本気でゲームの攻略法を考えて、施行と思考を重ねることは意味がありそうですね。
また、一方で、現実社会についても書かれています。
加えて、現実社会の問題には、さまざまなパラメータと不確定要素があるので、そのすべてを把握するのは不可能です。どれだけ多くの情報が得られていたとしても、一つひとつの情報をじっくりと精査・検証していかなければならず、その上で、全体の動き、全体のつながりも捉えておく必要があります。
ゲームは、一定のルールの中で考えればいいので楽ですが、現実社会は不確定要素だらけですからね。こっちのゲーム(現実社会)は、そりゃ難易度が高いです。
現実社会においては、そうした困難なゲームが待っています。だからこそ、「覚える勉強」だけではなく「考えるトレーニング」をしておくことが活きてくるといえます。
じゃあ、どうすれば、現実社会のゲームもうまくできるようになるか?
ゲームを本気でやろうと思うと、自分の頭で考えることが不可欠です。そして、現実社会でも、自分の頭で考え続けなければ、刻々と変わる状況に対処できません。考えることをやめた瞬間に流され、沈んでいきます。
ルールを変えるには、ルールを熟知することから始める
続いては、ビジネスを進めるうえのポイントについて。
ビジネスをする場合にしても、ゲームと同じように、勝つためにはまず「ルールの検証」から始めるのがいいのです。それを適当に済ませるのではなく、綿密に見直していけば、「変えたほうがいいルール」は意外に多いことがわかります。
しかし、時代が移り変わって環境が変化すれば、既存のルールや決まりごとが最適解ではなくなっていることはよくあります。そうであれば、そのルールに従っているのは合理的ではありません。だからこそ、原理原則を見直した上で、ルールを再検証する姿勢が大切なのです。
およそ、ビジネスの世界では、既存の業界のプロが、新規参入してくるアマチュアによって崩されていきます。
そして、新規参入してくるアマチュアは、既存ルールを検証し、変えた方がいいルールにフォーカスしています。業界の慣習や当たり前を崩す、これが一番効果的ですからね。だからこそ、ビジネスでは、ルールの検証が大切なんですね。
ルールを変えるということは、戦略を練るということ
ルールを変えるという発想を持つことは、「無用な戦いを避ける」ことにもつながります。現実世界で誰かと戦いを始めれば、必ず泥沼にはまっていくことになります。
戦略とは、『戦』いを『略』すると書きます。
ルールを変えることが、無用な戦いを避けることということは、戦略を練るということとイコールです。
ゲームの場合は、人と争うことが楽しいことですが、現実社会やビジネスの場合は、『いかに、人と争わないか』ということの方が大切です。そのためには、戦略を練って、ルールを変える必要があります。
ゲームとして気楽に考える
現実社会もビジネスも大変です。考えることもたくさんあります。でも、自分の心には余裕が必要ですよね。
人生そのものをゲームとして考えるのは、なかなか難しいかもしれませんが、ビジネスや仕事をゲームとして考えることはできるかもしれません。
川上さんも、このように言っています。
面白いゲームというのは、現実社会のなかでもたくさん見つかるものです。それを探す発想が持てるようになれば、ゲーマーと呼ばれる人たちの人生は大きく変わると思います。
僕からすれば、ドワンゴもゲームであり、ニコニコ動画もゲームです。
素敵な考え方ですね。
この本には、このような形で、ビジネスのやり方や考え方などの方向性を教えてくれます。(ちなみに、上記にご紹介した内容は、第1章の部分だけです。)
川上さんの本は面白いなー。ビジネスをしている人は、考え方そのものが勉強になるから必読です。
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— コージ@独立9年目 (@koji050) October 20, 2016
経営者はもちろん、個人事業主の方にも参考になります。
また、川上さんの別の書籍も面白いです → ブロガー必見!川上量生さんの『コンテンツの秘密』を読もう
以上、ご参考まで。
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