今回は、フェルミ推定のやり方をご紹介します。
フェルミ推定とは
まず、フェルミ推定とは何かというと、実際に調査しないとわからないような数量を、いくつかの手がかりを元に、論理的に推論して導き出す思考方法です。
たとえば、
- 日本に電柱は何本あるか?
- 都内のコンビニの売り上げはいくらか?
- 1年で送付される年賀状は何枚か?
おそらく、ほとんどの人が、「そんなこと分かるか!」と思うかもしれませんが、フェルミ推定をすると、およその概算を自分の力で出せるようになります。
フェルミ推定のメリット
フェルミ推定ができるようになると、仕事に役立つ「仮説を立てる力」や「問題を解決する力」が身につき、周りから「あの人、頭がいいよね。」と評価されるようになります。そのため、社会人の方は、ぜひ身につけておきたいスキルのひとつです。
フェルミ推定で身につくスキル
- 仮説を立てて考える力
- 問題を特定する力
- 問題を解決する力
- 難解な問題に対して意欲的に取り組める力
最初にお伝えしておくと、フェルミ推定は、正しい回答を出すことよりも、その思考プロセスを身につけることのほうが重要です。
そして、フェルミ推定を行うには、ロジカルシンキングが必須となります。
ロジカルシンキングの簡単なやり方については、以前このブログでもご紹介しましたので、もしよければ、そちらの記事をご覧ください。
それでは、早速ですが、フェルミ推定でよく出る例題を考えながら、フェルミ推定のやり方をご紹介していきます。
フェルミ推定の演習
問題:日本にある電柱は何本あるか?
フェルミ推定をおこなうには、何が分かれば答えが出せるか?という問題の要素を分解して考えることが必要となります。
たとえば、電柱の本数を出すには、ざっくりと、日本の面積と1平方km当たりにどれだけ電柱があるか?が分かればおおそよの数を計算できると思います。
■日本の電柱の数 = 日本の面積 × 1平方km当たりの電柱の数
ちなみに、日本の面積は、約40万平方キロメートルです。
フェルミ推定をするには、ある程度の前提知識が必要となりますので、もしわからなかったら、その面積自体も推定が必要となりますが、ここでは、日本の面積はざっくり40万平方キロメートルで計算します。
次に、この式をもう一度みて、本当に合っているかを考えています。
この式のとおりだと、日本の国土に平均的に電柱が立っている必要がありますが、実際の日本の国土は山岳部が多くあるため、ここでは、ざっくり日本の国土の半分には、電柱が無いことにします。
次に、1平方km当たりの電柱の数を考えましょう。
まず、たとえば、1辺が50m×100mの5000平方メートル当たりに1本の電柱が立っていると考えたら、100m×100mの10000m2で2本。
これを1平方キロメートル(1,000,000平方メートル)にしたら、200本だと計算できます。
ということで、実際に計算してみると、
日本の電柱の数
=【40万km2 ÷2】 × 200本/1km2
= 200,000 × 200(本)
= 4,000万本
4000万本という答えが出せます。
この答えが正しいかは置いておいて、このように、最初は、検討もつかなかった問題を、問題の要素を分解して考え、数値の仮設を立てて、概算を出すことがフェルミ推定です。
もちろん、仮に想定した数値が間違っていた場合は、実際の数値とかけ離れてしまうこともありますが、フェルミ推定は、正しい数値を出すことよりも、その思考プロセスを身につけることのほうが重要となります。(※ちなみに、平成28年度の国土交通省の発表によると、日本には、3,578万本の電柱があるようです。)
まとめ
ということで、今回のまとめです。
- フェルミ推定とは、実際に調査しないとわからないような数量を、いくつかの手がかりを元に、論理的に推論して導き出す思考方法
- フェルミ推定はロジカルシンキングが必要となり、仕事に役立つ「仮説を立てる力」や「問題を解決する力」が身につく
- フェルミ推定は、この正しい回答を出すことよりも、その思考プロセスを身につけることのほうが重要
フェルミ推定は、自分の思考力を高めるいい訓練になりますので、「都内のコンビニの売り上げはいくらか?」「1年で送付される年賀状は何枚か?」などの問題もぜひ考えてみてください。
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