川上量生が考えるネットの未来がおもしろい!コンテンツと電子書籍の話をピックアップ

これまで川上さんの書籍はいろいろと読んできて、このブログでもご紹介させていただきました。

今回は、その続編です。

「鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書)」という本を読みましたが、この本も面白かったです。

この本はスタジオジブリの鈴木プロデューサーにも分かるようにネットの世界が説明されています。

ここでは、僕が気になったところご紹介していきます。

コンテンツは無料にならない

デジタルの時代、ネットの時代にはコンテンツの価値は無料になるという考え方が根強くあります。実際、CDやDVDなどのパッケージコンテンツの売上は大幅に低下し、雑誌もめっきり売れなくなっています。ゲームソフトや書籍も、スマートフォンなどの低価格あるいは無料のアプリや電子書籍に大きく比重が移るのではないかと関係者は戦々恐々としています。

ネット上のコンテンツは無料になるという主張はよく耳にしますが、このことについて川上さんはこのように言及しています。

ぼくは結論としてはコンテンツは無料にならないし、なるわけがないと思っているわけですが、ここではまず、コンテンツの無料モデルが長期的に成立しない理由、つぎに違法コピーがコンテンツの価値に与える影響について書こうと思います。

結論として、川上さんは、コンテンツは無料にならないと考えています。そして、コンテンツが無料にならない理由を教えてくれているのですが、まとめると次の理由からコンテンツは無料にならないと言っています。

  • コンテンツの複製はコストゼロだが、製作費はかかるから
  • 広告収入モデルだと、コンテンツ制作者が不利になるから
  • コンテンツの価値は、その人の依存度によって決まるから
  • コンテンツはユニークであり、独占商品であるから

確かに、これまでも、広告収入モデルとしてのコンテンツ制作はありえましたが、これは、どんどん単価が下がってきています。

例えば、コンテンツ制作として、グーグルアドセンスやアマゾンアフィリエイトの収入単価はどんどん下がってきています。(僕もこのブログを書いている時給を計算したら、おそらく、数円程度ではないでしょうか。じゃあ、なぜやっているのかというと、完全に趣味の部分が大きいです。)

また一方で、既に、有料コンテンツの販売も一般的になってきています。(たとえば、NewsPicksの有料記事や電子書籍の販売、Noteの有料記事のコンテンツのほうがむしろ、広告収入よりも収益性が高いと言えます。)

だから、今後の流れとしては、コンテンツは無料に近づくのではなく、コンテンツにお金を払うことが当たり前になってくると思います。(ただし、ユーザーが、コンテンツ自体に価値を見出せないと有料化は難しいということは、今までと同じです。)

電子書籍の未来はこうなる

もう一つ、電子書籍に関するトピックをご紹介します。

現在の電子書籍は、活字のデータをそのままテキストデータとして電子化しただけの単純なものです。すでに現段階でも十分に紙の本を置換するメリットは持っていると思いますが、電子書籍という媒体が持つ潜在的な可能性はこんなものではありません。電子書籍が今後どのような方向に進化する可能性があるかを列挙してみましょう。

僕も、電子書籍関連の仕事をしているので、これは知っておきたいところです。電子書籍の未来はこのようになるようです。

① テキストや画像だけでなく、音声や動画などのいろいろなデータを取り込んでマルチメディアの電子パッケージ媒体になっていく。

② 自動的に内容が更新、追記されるようになる。

③ 検索、引用、メモ、読書記録の自動保存など、読書体験の進化。

④ 他人と読書体験を共有できるようになる(ソーシャルリーディング)。

⑤ 本の非局在化。自分の持っている本は、ネットワークにつながっていれば、どこでもさまざまなデバイスで読めるようになる。

確かに、上記の項目は、既に実施・実装されているものも多くありますね。

たとえば、Kindle本は、スマホでもPCでもタブレットでも、どの端末でも同期できるようになっていますし、検索や引用、メモも簡単です。また、あんまり知られていませんが、https://kindle.amazon.co.jpというサイトを使うと、他人がマーカーを引い部分とかも閲覧することができます。※サービスは終了しました。

もちろん、今後も”本”という媒体はなくなりませんが、電子書籍はもっと一般的なものになると思います。(なぜなら、電子書籍を読んだことがあると思いますが、電子書籍は圧倒的に便利ですので。)

※ここでは、コンテンツと電子書籍の話だけをピックアップさせてもらいましたが、本書には、他にも、コンテンツとプラットフォームの話や、テレビの未来、オープンからクローズドの話も書かれていて、面白いです。

以上、ご参考まで。

当ブログを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。このブログが、少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。また、もし少しでも共感することがありましたら、また読んでいただければ幸いです。私も、読んでくれる方が多くなると、ブログを更新するモチベーションにも繋がりますm(__)m

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