この世界が残酷だということを、ぼくは知っていた。
この国には、大学を卒業したものの就職できず、契約やアルバイトの仕事をしながら、ネットカフェでその日暮らしをつづける多くの若者たちがいる。
就職はしたものの、過労死寸前とストレスでこころを病み、恋人や友人にも去られ、果てしない孤独に落ち込んでいくひともいる。
(※中略)
残酷な世界を生き延びるための成功哲学は、たった二行に要約できる。伽藍を捨ててバザールに向かえ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。※引用:『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』 著者:橘玲
これは、橘玲さんの『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』に書かれている前文ですが、この本には、わたしたち日本人(特に若い人達)が、今後、どのように生き延びるかについての方法が書かれています。
※今日ご紹介する書籍は、こちらの書籍です。
「伽藍?バザール?」、「恐竜の尻尾?」
『伽藍を捨ててバザールに向かえ』と『恐竜の尻尾のなかに頭を探せ』。とはどういうことなのでしょうか?(「伽藍?バザール?」、「恐竜の尻尾?」、しかも、その中に頭を探せっていうのはどういうこと???)
本書を読み進めていくと、その答えが書いてありました。
多様性と流動性のあるバザールでは、ネガティブな評判を恐れる理由はない。不都合な評判を押しつけられたら、さっさとリセットして自分を高く評価してくれる場所に移っていけばいいだけだ。だからここでは、実名でポジティブ評価を競うのがもっとも合理的な戦略である。
一方、いったん伽藍に閉じ込められたら外には出られないのだから、そこでの最適戦略は匿名性の鎧でネガティブな評価を避け、相手に悪評を押しつけることだ。日本はいまだに強固なムラ社会が残っていて、だからぼくたちは必要以上に他人の目を気にし、空気を読んで周囲に合わせようとする。伽藍の典型である学校では、KY(空気が読めない)はたちまち悪評の標的にされてしまうのだ。
(※中略)
ぼくたちは生きるために、伽藍を捨ててバザールへと向かわなくてはならない。
(※中略)
ヒトの社会では、「評判」は貨幣よりもずっと価値が高い。評判が瞬時に広まるネットワーク社会が誕生して、その差はますます大きくなっている。
外に出て、自分の評判を高め続ける。これが、伽藍を捨ててバザールに向かえの真意のようです。
“伽藍”とは、例えば、あなたがいま属している組織とか、あるいは、いま依存してしまっている関係のことです。本書を読むと、今後、生きるためには、この“伽藍”の外で、自分の評価を高める活動をする必要があるようです。(僕もそう思います。)
自分の好きなニッチ市場で生き残る時代
ひとはなぜ特定の音楽のジャンルやミュージシャンを好きになるのだろう。もちろん理由なんかなくて、無意識のうちに引き寄せられるからだ。そしてそこには、同じように引き寄せられた別の誰かがいる。
(※中略)
このようにしてニッチ市場が成立すると、マニアのコミュニティのなかで、評判を頼りに新しい曲を探していくことが可能になる。
(※中略)
もっともそのビジネスはあまりにも規模が小さくて、まともな会社は相手にしてくれないかもしれない。でも、流通コストがゼロになった「フリー経済」なら大丈夫。自分でやればいいだけのこと。
(※中略)
「好き」を仕事にしたいのなら、ビジネスモデル(収益化の仕組み)を自分で設計しなくてはならない。グーグルやアップルやアマゾンやその他さまざまな新時代のサービスが、そのためのインフラを用意してくれている。それを活用して幸福の新しい可能性を見つけられるかどうかは、君次第だ。
大変ありがたいことに、いまは、インターネットの発達により、流通コストがゼロになり、ロングテールのしっぽの方でも“多少の利益”が上がるようになりました。
ここでのポイントは、大企業であれば、“多少の利益”ではやっていけませんが、個人であれば、“多少の利益”は、かなり大きい利益に成り得る。ということです。
ようするに、伽藍(ガラン)を捨ててにニッチに生きる。そのニッチは自分の好きなことを選ぶ。すると、その分野で頭を出すことができ、生き残れる。これが、『伽藍を捨ててバザールに向かえ』、『恐竜の尻尾のなかに頭を探せ』ということであり、残酷な世界を生き延びる方法です。
ということで、もしかしたら、今後は、『大個人事業主時代』に突入することになるかもしれませんね。
以上、ご参考まで。
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