この本は、15年前に書かれたとは思えないほど、有益な情報が載っていました。
まず、戦略思考を変えよ―戦略マネジャー8つの心得
著者:田坂 広志
戦略とは、読んで字のごとく、戦(いくさ)を略することですが、本書には、いかに戦略を考えるかのヒントが書かれていましたので、ここでもご紹介させていただきます。
では、まず、「市場の自由化」の嵐がやってきて、「競争の激化」が生じている市場において、我々は、どのような戦略思考を身につけなければならないのでしょうか?
そのためには、まず、「抜去り」の戦略思考を捨てる必要があります。
(※中略)
たとえ、その経営者やマネージャーが、どれほどの思いで、「追いつけ、追い越せ」と念じ、どれほど「必死」に社員や部下の尻を叩いて企業や組織を走らせても、決して追いつけません。
ナンバー・ワン企業もまた、「必死」に走っているからです。
確かに、今の時代の戦略思考としては、追いつけ・追い越せでは、なかなかうまくいきませんね。
ナンバーワン企業を追い越すには、その企業が油断したり、ナンバーワン企業があぐらをかいて、怠慢になる、あるいは、不祥事やトラブルで失態しない限り、なかなか追い越すことができません。
なぜなら、著者が言う通り、ナンバーワン企業も走り続けているから。
この本には、じゃあ、どうすればいいのかというヒントもしっかりと提示されています。その戦略に関するキーワードは次の通り。
- 先回りの戦略思考
- 市場形成の洞察
- 顧客中心のビジネスモデル
- 購買代理の中間業者
- 複合商品の提供
- ナレッジサービス
- コミュニティの形成
- 戦略的反射神経
すべての項目について詳しい説明はできませんが、この中でもこれからの時代に必要な、「戦略的反射神経」についてだけ、ここで取り上げておきます。
たとえば、競合企業が新しい差別化商品を市場に投入したとき、これまでは、まず社内で戦略会議を持ち、詳しい情勢の分析と検討をしました。そして、そのうえで、様々な対抗戦略を考え、それぞれの戦略の得失を評価し、最適と思われる戦略を決定し、実行していったわけです。
しかし、急激に事態が展開する「ドッグ・イヤー」の時代においては、こうした悠長なやり方で対抗戦略を打とうとする経営者やマネージャーは、かならず機を逸してしまいます。「じっくり考えてから行動に移す」という悠長なやり方では、競合企業の動きや、市場の変化についていけないのです。
「じっくり考えてから行動に移す」というのは、一見、賢いように思えますが、実は、全然賢くない。行動が後手に回り、機会を逃してしまうことがよくあります。特にビジネスでは、スピードが一番重要です。
ただ、特に大企業の場合は、構造的な問題があり、なかなかスピーディーな決断ができません。そのため、市場に取り残されていきます。
この本は、15年前に書かれた本です。
いまや、大手企業が市場から取り残されて、実際に、大規模なリストラや事業再編、あるいは、海外企業からの買収がニュースで見かけるようになりました…。
まとめ
市場では、ナンバーワン企業は走り続けている。そのために、後を追う戦略を止めて、スピーディーな決断が必要。
本書は、企業の経営者やマネージャー向きの本ですが、僕のような、個人事業主にも勉強になる本でした。
以上、ご参考まで。
当ブログを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。このブログが、少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。また、もし少しでも共感することがありましたら、また読んでいただければ幸いです。私も、読んでくれる方が多くなると、ブログを更新するモチベーションにも繋がりますm(__)m
この記事を書いている人のプロフィールはこちら → 川口浩治プロフィール
書いた本はこちら → 書いた本
また、ソーシャルメディアでも情報配信させて頂いております。以下のボタンにてフォローいただければ最新情報をご確認いただけます。
@koji050さんをフォローおすすめYoutube動画
Youtubeチャンネルに登録していただくと、最新動画情報をご確認いただけます。