独立までの軌跡~とあるサラリーマンが独立するときの葛藤を告白~

先日、パソコンのファイルを整理していたら、僕にとっては、とても感慨深いファイルを見つけました。その名も、『独立までの軌跡』という2012年に作ったワードの文章ファイルです。

2012年と言ったら、僕はまだ27歳で、会社員だったときに作ったファイルです。開いてみたら、僕がサラリーマンを辞めようとしていたときの葛藤が赤裸々に書かれていました。(このファイルは、当時、僕が、“今の気持ちを残しておきたい!”と思って、書き溜めていたものでした。)

今日は、そのWordファイルに書かれていた内容を全てご紹介させていただきます

※一部、固有名詞などは変更しましたが、当時書いていたまんまをそのまま貼り付けました。ぜひ、当時サラリーマンだったときの僕が、会社を辞めるときの葛藤をお楽しみください(笑)

独立までの軌跡

ントン拍子で不安な生活にまっしぐら。
当時の感情を一言でいうと、そんな感じだろうか。

※2012年2月8日午後17時。

勤めていた会社の上司に、このように切りだした。

僕:「会社を辞めようと思っているんですが・・・」
上司:「川ちゃん、ほんとに大丈夫?転職も厳しい時代だし、再就職も難しいと思うよ。悪いこと言わないからもう一回考えなおしな。」

そう、、、僕は2012年に独立することを決めたのだ。
当時の僕は27歳でした。

上司に初めて、会社を辞めることを伝えるときは、本当にドキドキした。しかも、独立後のプランもゼロだったため、会社を辞めた後の説明には困った。

なぜなら、プランが無いから。
しかし、ことくなに上司に『辞める』ことだけを伝えた。

上司も理解がある人だったので、

「川ちゃんの気持ちはわかったから、土日をはさんで考えて、もう一回伝えて。次の報告で本当に退職の手続きを進めるから。」

と、上司は、僕に“会社を辞めないチャンス”を残してくれた。
本当にいい人だ。と心から愛情に感謝した。

そこで、その日は、

「もうこころに決めたんだ!絶対辞めるんだ!」

・・・と、思っていても、次の日、目が覚めると、むちゃくちゃ不安が襲ってくる。

・『ほんとに俺、やめちゃって大丈夫か?』
・『今の会社、すげー良い会社じゃんか!』
・『もし、失敗したら、たんなるバカだよ!』

そこで、上司から伝えられた

『次の報告で本当に退職の手続きを進めるから。』という言葉が、自分の頭によみがえる。

「やっぱり、考え直しました!すいません!」って月曜日の朝に謝ろうかな。

こころの中で、会社を辞めるor辞めないの葛藤が現れる。

なかなか決断できない心の葛藤

んな葛藤をしていた次の日、ある会社の社長さんに無料コンサルを申し込んでいたので、六本木まで出かけていった。

初対面の社長さんとのアポに、20分程遅れる。

自己嫌悪

何をやっているんだ。おれは?

そこで、社長さんから、当時やっていたホームページについての修正箇所やビジネスのノウハウを聞く。そして、今、ちょっと考えていた自分のビジネスモデルを伝える。

僕:『このビジネスモデルを考えているのですが・・・』
社長:『うーん、ダメだと思うよ』
僕:『がーん(>_<)』

特にダメな理由も聞けず、コンサル時間が終了

そもそも、遅刻した僕に延長してやっていただけただけでもありがたかった。
(やっぱり、ダメなんだ。独立なんて、無理なんだ。どうしよう。。。)

無料コンサルの帰りに、そのまま家に帰るのはなんとなくこころもとないため、六本木の本屋によることに。本屋には、起業の本、マーケティングの本、いろんな本が並んでいる。

そこで、1冊の起業に関する本を読むと、こんな記述があった。

『起業するには、いままで給与では源泉徴収のため、支払っていなかった費用が発生します。』

ん?そうか、手取りの給与分稼ぐだけじゃ、ダメなのか。今の手取りじゃなくて、額面以上稼ぐようにならないといけないな…。

今現在、会社の給与以外に稼いだことがない俺が、この後、何十倍も稼げるようになるか?

『やっぱり、会社の上司に謝ろうかな…。』

なんで独立しようと思ったのか?

がなぜ、独立・起業をする、と言うようになったのかというと、もちろん、これまで、いつか独立/起業したいという夢を漠然と持っていたこともあるが、直接的なきっかけは、とある社長さんとのやり取りがあったからだ。

社長さん:『俺がコンサルするから大丈夫だよ。

とある会社の社長さんの、この言葉が支えになって、独立を決心した。

社長さん:『月5万円でコンサルするから、大丈夫!』

独立する金の無い、僕からも費用を取るのか…。

もし、上手くいかなかったら。と不安になるが、僕の独立のスタートアップを手伝ってくれる。人の一生の分岐点に立ってくれるとは、なかなか出来るもんじゃないな

と思って、信用した。

『月5万円を払っているし、会社も辞めるんだからホント、お願いしますよ。』と、心では思っていたが、結局やるのは、自分。

自分のシンをしっかり持て!俺!と思う。


・・・六本木の本屋にて。


屋で立ち読みをしていると、彼女から電話がつながる

彼女:『もしもし、』
僕:「あー、お疲れ。」「実は、会社の上司に辞めることを伝えたんだけど、どうしようか、迷っているんだ。」

そこで彼女に事情を話す。

すると、

彼女:『1年間やってみれば?』
彼女:『それでダメだったらいいじゃん。また再就職すれば。』

僕:「・・・うーん。ありがとう・・・そうだよね…。」

彼女の後押しに、ちょっとこころが救われた。

甘すぎる自分

※2012年2月12日

の時点では、またまた自分の甘さが自分の頭を駆け巡る。

「やっぱり、会社を辞めるの辞めようかな。」とか、
「会社を辞めるのは、ボーナスを受け取ってからかな。」とか、

現実的なお金についての考えを始めていた。

不安を明確にしたいから自分の事業計画書の数字を確認する。

「もし、独立がうまくいかなくて収入が0円だったら、“いつまで”持つんだろうか?」

かなり甘い試算で、売上が0のままの場合の試算をする。

「だいたい貯金を切り崩して2年か・・・」
思ったより、短いな…。

不安と根性無しの性格のせいか、近くにいた彼女に聞く。

僕:「これ、どう思う?」

とエクセルで作った事業試算表を彼女に見せる。

彼女:『うーん・・・お金のこともいいけど、そんなことより、こーちゃんは何したいの?』

・・・彼女にこのように質問されたとき、正直自分の中に答えが無かった。

うーん。と考えている僕に、彼女は、

彼女:『自分のやりたいことじゃなきゃつづけられないでしょ。』
彼女:『もし、明確なものがないなら、独立なんてやめちゃいな!』

そのとき、僕が考えていた自分のビジネスは、アフィリエイトで収入を稼ぐことなど、およそ、ビジネスを言えるレベルのものでなかった。

本当に俺はこれがやりたいのか?そもそも、なんでこのビジネスやってたんだっけ?
独立という言葉だけが先走りしてしまっている自分に腹が立った。

社長さんとのやりとり

日は、急きょ、僕を手伝ってくれるという社長さんに会えることになった。

※その社長さんにメールしたら、来週から1週間カンボジアに行ってしまうというので、当日アポを切り、それに応じていただけた。

僕が社長さんに会いたかった理由としては、自分の決意に関して、今後どう進めていけばいいかを確認したかったから。

※正直、いままで社長さんに認められたい一心で急展開をしてきた。つまり、社長さん依存が激しすぎた。

そして、約1時間の道のりで約束の駅に付く。

そこで、社長さんに会えた。

≪社長さんとの会話≫

社長さん:『川ちゃん、いま、何が不安が言ってみて。』
僕:「やりたいことはマーケティング関係のビジネスってわかってきたんですけど、経験も実力も無い僕が本当に稼げるか不安です。」

社長さん:『うん。じゃあ、なんで今給料もらっているの?』
社長さん:『何にもできないんじゃ、お金って稼げないよね。』

僕:「それは、会社の仕事をしているから・・・」

社長さん:『そうだよね。』

社長さん:『川ちゃんは将来、マーケティングのスキルでお金をもらいたいと思うんでしょ?』

僕:「はい、将来はそうなりたいです。」

社長さん:『じゃあ、そしたら、例えば、今、23歳くらいから自分の会社を立ち上げて5年目のマーケティングのことばっかりやっていた人や、あるいは、5年前から新卒で外資系バリバリのマーケティングコンサルタントが競争になったら、川ちゃんその人達に勝てる?』

僕:「絶対勝てません。」

社長さん:『そうだよね。なぜならその人達は、24時間365日ずっとそのことに集中しているからね。』

社長さんは、僕の心の中を見透かしているように続けて言う。

社長さん:『川ちゃんは今、キヤノンに自分の人生をかけているの。』
社長さん:『人生の総収入が2億だとしたら、あと残りの人生を使って1億8000万円をキヤノン株を1点買いしているってこと。』
社長さん:『でも、会社が解散したら、終わり。』もちろん、その視点は、人それぞれ。

社長さん:『会社の人は、“独立は危険だ。”というね。でも、僕は、“独立しない方が危険だ”と思う。その人の視点が違うから、言うことも違う。それは、それでいいんだけどね。。。』

社長さん:「じゃあ、他の選択を考えてみようか。」

① いままでの会社に残る
② 新しいチャレンジングな会社に転職する
③ 独立する

社長さん:『川ちゃんには、今この選択肢があるとしようか?それぞれのケースで、キャッシュが無くなる1年後を想定してみて。』

社長さん:『独立した場合の一番最悪なパターンは何?』

僕:「独立がうまくいかずに、貯金がなくなることです。」
社長さん:『そうだね。そのあとの行動はなに?』

僕:「親に謝って、実家のお世話になって、再就職先を探します。」

社長さん:『うん、それで?』
僕:「あと、彼女とか友達にも失敗したと思われます。」
社長さん:『そんなのは、1年間人生の旅に出たとでもいっておけばいいでしょ(笑)』
僕:「うーん。。。」

社長さん:『1年間そのこと一本でやってきた経験とスキルはどう?』
僕:「上がると思います。」

社長さん:『じゃあ、最高のパターンは?』
僕:「事業がうまくいきます。」

具体的に言うと月額いくらくらい?

僕:月収100万円ですかね。

社長さん:『最高で月収100万円。最悪で再就職。(ただし、本気で1年間やったという経験付き。)』

社長さん:『うん、じゃあ、次は転職する場合の最悪のパターンは?』

僕:「転職先の仕事がきつすぎて鬱になることです。」

社長さん:『そうだね(笑)。それは辛いね。でもうつ病になる前に辞めればいいよね。』

社長さん:『自分の実力はどう?』

僕:「上がると思います。」

社長さん:『じゃあ、外資系で働いての最高は?具体的な金額でいいよ。』

僕:「年収1000万円くらいですかね。」
社長さん:『いや、1年でそれはないと思うよ(笑)でもまあいいか、月額80万円くらいね。』

社長さん:『最高で月額80万円。最低でうつ病。』

社長さん:『じゃあ、最後にいまの会社にのこったまま、1年がすぎた場合の最悪は?』

僕:「会社が解散することですかね?」
社長さん:『いや、それは、最悪じゃないよ。むしろありがたいと思うよ。」「次に行動するチャンスだからだね。』

僕:「じゃあ、なんだろ・・・???」
社長さん:『一番、最悪なのは、“今のまままったく変わらない”ということだよ。』

社長さん:『マーケティングのスキルも身に付かないし、チャレンジしたという経験も無し。今の状況と“まったく変わらない”ことだよ。』
社長さん:『川ちゃんが、80歳になって、どっちが幸せだと思う?』
社長さん:『何もチャレンジせずに、時間だけが過ぎて言った一生と、不安に負けず、自分の人生をチャレンジして生き抜く人生。』

僕:「チャレンジして自分の人生を生き抜く人生がいいです。」

社長さん:『そうだよね。』
社長さん:『じゃあ、一番の最高は何?』

僕:「会社の試験に受かって、給与があがることです」
社長さん:『いくらになるの?』
僕:「だいたい10万円UPで37万円くらいですかね。」
社長さん:『そうなの?良い会社だね(笑)』

社長さん:『最高で、月収37万円。最低で、現状維持。何も成長せずに時間だけが過ぎていく人生に不安をかかえながら、独立したいな。けど、自分はまだまだだな。と思い続けて時間だけが過ぎていく人生。』

社長さん:『これをどうとらえるかは川ちゃん次第だよ。』

ここで話題は、コンサルティングについて。

僕:「あの、コンサルって具体的にはどんな内容ですか?」
社長さん:『最初は1日みっちり戦略を学んでもらう。』

社長さん:『そのあとは、実際に行動してもらう。
社長さん:『はっきり言って超キツイよ。』

社長さん:『具体的には、良い商品を見つけて、その商品の販売契約を結ぶためにその会社に働きかける。もちろん、リアルで。』

社長さん:『もちろん、その都度、アドバイスはするからね。』

僕:「セールスとかやったことないんですが・・・」

社長さん:『川ちゃん、商売はハートだよ。』
社長さん:『ハートで語りかけなきゃ。』
社長さん:『無料でHPつくったり、販売戦略を作るので、うまくいったら30%のコミッションを下さい!って人を口説かないと。それも経験だね。』

社長さん:『世の中には良い商品があふれているんだよ。でも、みんな売り方を知らないんだよ。』

社長さん:『俺は、素敵な商品を世の中に広めたい。』
社長さん:『優秀なサラリーマンも世の中に広めたい。と思っているんだ。だから、こうやって川ちゃんにも会ってるんだけどね(笑)』

社長さん:『だから、やることは、良い商品を見つけてきて、それを販売するだけ。』
社長さん:『実際に自分で経験しなきゃ、マーケティングコンサルになんかなれないよ。』
社長さん:『自分で商品を作るのは、まだ早すぎるよ。まずは、ただでもいいから良い商品を売らせて下さいって契約を作って、売えれたら30%のコミッションをとるように働きかけて実際に実績をつくっていくんだよ。』

社長さん:『中小企業の社長も命をかけている。本気で、ハートで勝負しないとすぐにばれるよ。』

僕:「なんで社長さんは、辞めるなら早い方がいいって言うのですか?」
社長さん:『考えている時間自体が、無駄だから。どうせ、期限を延ばしたって、無駄な勉強しかしないんだから(笑)今からはもう、本も読まなくてもいいと思うよ。』

僕:「確かに。本に逃げている感はあります。。。」
社長さん:『本を読むと安心するからね。』

社長さん:『あっでも、これだけは言わせて。俺が言ったからとか、俺がそうしろって言ったからといって、独立はしないでほしい。』

僕:「はい、それは、さすがに社長さんに申し訳ないので、そうしないように考えてます。」
社長さん:『いや、俺に申し訳ないじゃなくて、自分のいい訳の逃げ道にしてほしくないんだ。』
僕:「・・・なるほど。」

社長さん:『だから、最後は自分で決めてね。』

社長さん:『コンサルはいつでもやるし、7月まで待ってでもいいよ。ただ、7月に辞めるなら、7月からコンサルをするよ。でもサラリーマンを続けている川ちゃんに3月からコンサルはしない方がいいと思う。なぜなら、ダブルワークでこなせるような内容じゃないからね(笑)宿題一杯だすよ。例えば、1日で飛び込み100件行って、1件成約して。みたいな(笑)』

僕:「分かりました。正直、今、モチベーションがあがっているのですが、2日後にまたモチベーションがさがると思います。」

僕:「明日、会社に行って自分がどう思うか。ちゃんと自分で決めてから決断します。いろいろと教えて下さり、ありがとうございます!」

社長さん:『ついでに川ちゃんに、最後、これも伝えておくね。』
社長さん:『独立して生き残るのは、10%もいないからね。」「川ちゃんの気持ちを中和しとかなきゃね(笑)』
僕:「はい・・・(笑)」

※帰り道の道中にて

僕:「社長さんは、セールスはどうやって学んだんですか?」

社長さん:『セールスをするには、良い本があるから教えるね。それも今読んでもあんまり意味ないと思うから。必要なときに、教えるよ。今川ちゃんがやることは、“決める”ってことだね(笑)』

※その他の教えて頂けたこと

  • マーケティングだけでは物は売れない時代になった
  • 神田昌典さんのDRMだけでは、ダメ。
  • 戦略が重要。
  • ビジネスは、人対人。ビジネスはハート。
  • コーチがいないで独立するのは、危険だ。それは、自転車で北海道まで行きます。っていうのと一緒。コーチがいたら、まずは羽田空港に行って、そのあと飛行機に乗って、と道筋を立ててくれる。そのとき、落ち込んだとしても、勝手に飛行機は北海道まで運んでくれる。
  • 本を読むより、いろんなホームページを研究したほうがいいよ。Webでもリアルでも売れていそうな商品。リアルで売れていそうだけど、Webでは売れていないような商品※ここが宝の山。強みを見つけてうりに出す。
  • 切りつめられるぎりぎりまで生活費を切り詰めること!

※社長さんと会ったときの感想。

社長さんの会話は、超楽しかった。『自分の考えが間違っていた』というよりも、『こういう考え方があるのか!』という感覚に落ちた。真剣なまなざしの中で、多くの事例を交え、ユーモアを交えて話してくれる社長さんはさすがだ。

・・・もう、会社は辞めよう

と心に誓い、明日会社に行く。

辞めることを改めて伝える

※2012年2月13日月曜日

『会社を辞める!』と決めて、恐る恐る会社に行く。

午前中は普通に仕事して、会社のお昼休みに、母親に連絡する。

僕:「もしもし。」
母:「もしもし、どうしたの?」

と母は、突然連絡してきた僕に聞いた。

僕:「いやー、あのさ、会社辞めようと思って。」
母:「・・・大丈夫なの?」

僕:「うん、大丈夫だと思う。」
母:「彼女さんにはちゃんと伝えたの?」

母:「うん、ちゃんと伝えたよ。」
母:「何て言ってた?」

僕:「一年間やってみれば、って言ってくれたよ。」

母:「彼女さんは、強い子だね。」
母:「わかった頑張りな。でもお父さんには伝えておくから。」

僕:「うん、じゃあ。」

と電話を切った。

そして、その日の午後、改めて会社の上司に言う。

僕:「あのー、やっぱり会社、辞めることにしました。」

「うーん。」と言うと、上司は質問をはじめた。

上司:「会社辞めたら、かわちゃん、具体的になにやるの?」
上司:「セールスの経験もないよね。そんなに世間はあまくないよ。その教えてくれる人がどんな人かわからないけど、その人がお客さんを連れてきてくれるわけでもないんでしょ?」
上司:「これは言いたくないけど、川ちゃん、騙されていないか?」

と、2時間以上の説得(ほとんど上司が話す。)を経験して、『僕も、そうかも…』と改めて不安に襲われる。

しかも、その質問に対して明確な答えがない。自分の不甲斐なさを改めて知る。

上司は、2時間煮え切らない回答をしている僕に対して本当に心配してくれているようだ。

「辞めるのはいいけど、準備したらどうだ?」と言われる。

はっきり言って、超正論

ついつい、「僕もそう思います。」と答えてしまう。

しかし、頭の中では、

・「もうやめると決めたんだ!」
・「ここで、辞めなかったもう辞められないんだ」

と、自分を無理矢理説得させて、

「やっぱり辞めます。」と答える。

僕の回答が変わらないと見た上司は、「もう、おれは知らん。」と、しぶしぶ了解した。

上司の了解を得た自分に対して、しかし、本当にこれでいいのか?と自問自答がつづく。

ただ、これで会社を辞めざるを得なくなるだろう…。と思っていた。
ある意味、もう逃げ道はなくなった。

父親からの電話

※2012年2月14日

日は、終日外出だったため、会社の人と顔を合わせる機会が少なかった。
だから、“なんとか乗り切った

そして、会社から帰宅途中に、携帯が鳴る。

「もしもし。」

母親からの電話だ。

母:「もしもし、こうちゃん。ちょっとお父さんと代わるから。」

父:「もしもし。」
父:「もしもし、こうじか。なんかあれか、会社辞めるんだって?大丈夫か?」

僕:「うん、ちゃんと独立した社長にコーチについてもらってからやるから大丈夫だよ。」

父:「んー、それは本当か?」
父:「社長って言ったって、そんなの誰だって独立したら社長だしな。」
父:「本当に大丈夫か?」「騙されるなよ。」
父:「世の中そんなに甘く無いぞ。」
父:「直ぐに財産取られるんだからな。」
父:「固く生きろよ。」
父:「いったい何やるんだ?それは上手くいきそうなのか?」

僕:「んー、たぶん大丈夫だと思うけど、」

父:「父さんは、何やるのか分からないけど、勉強ができたからって世の中そんなにあまくないぞ。」「東大出てたって、ゴミ拾いの仕事をしている人もいるんだぞ。」「本当に大丈夫か?」
父:「世の中、あまくないぞ、よく考えろよ。」

僕:「でも、もう会社に言っちゃったし。」
父:「そんなのは、なんとかなる。やっぱり辞めるのやめましたって言えば。」「よーく、考えろよ。」

父:「そんなことより、一番大事なのは彼女だ。」
父:「早く結婚して身を固めて、そこからやっていくんだよ。」
父:「籍を入れるだけでもいいから。」
父:「二人でやって行くんだよ。」
父:「俺は、子供達が幸せになるならいいんだ。」

僕:「うん、結婚はするよ…。」

でも、俺が会社辞めたら、それも難しいかも…。そう言えば、会社を辞めることも、彼女に相談しないで勝手に決めちゃったな。俺は、自分のことしか考えていなかったな、自分のエゴでしかないな。そんな俺に対して、あいつは、「頑張れ」って言ってくれたな。こうちゃんが後悔するくらいなら、一年間やってみればって・・・。

俺は、ちゃんと彼女のこと考えていたか?しっかり、“彼女の幸せ”を考えていたか?
そもそも、自分ばかりのことを考えていなかったか?

独立したら、会社のめんどくさい人間関係から解放されるとか、朝起きるのも自由、仕事する場所も自由。独立したら、カフェで仕事しよっと。とか、独立した俺って、なんかカッコいいじゃん!とか。独立してからでもなんとかなるでしょ。とか。

父親との電話で、自分の意識がまたまた変わった。父親はやっぱり偉大だ。

そもそも俺は、何で独立して成功したいんだろう?今回の自分の人生で何を求めているんだろうか?

たまたま行った講演会にて

※2012年2月15日

社の仕事を終え、ある講演会に出た。
パソナグループ創業者の南部さんのお話。

テーマは、「会社に頼らない生き方」

この講演を聞いて、またまた独立への道にあこがれた。その講演は本当によかった。命をもらえた。

大学生のとき、全然就職活動がうまくいかなかった南部さんは、働きたくても働けない女性の雇用おいての問題点に着目し、その問題を解決するために人材派遣会社を始めた。

そこで、伝えていたことは、

  • 「買い手よし、売り手よし、社会よしの三方よしの事業をやる」社会貢献にプラスして利益でやりたいことをやる。
  • 「迷ったらやる。」
  • 「やろうと決意したらやる方法を見つける。自分の迷いができない理由を見つけ出すんだ。」

この言葉はこころに響く。自分のやる気を出してくれる。

「知行同一」

行わなければ知っていることにはならない。行動することは、付けた知恵を完成させること。2階に上がろうではだめだ。2階にある“牡丹餅”を食おうで、成功するんだ。当時、南部さんは、身内にお金を集め周り、360万円を集めて会社を設立した。いつもハキハキ、明るい笑顔を心がけている。

南部さんは本当にカッコ良かった。あんな人になりたいと思った。

また、こんなことも言っていた。

  • 性格は自分で変えられる。

ノーとか、疲れたとか言うと人が寄ってこない。また、60歳のときに同窓会があったと言う。そのとき思ったのは、オーナー経営者は若々しく、ルールに縛られた(例えば銀行員)は、早く年を取っている。と語っていた。

(なるほどなー、やっぱり神経を使うと年をとりやすいのか・・・)と会社を辞める方へ気持ちを持っていかれた。

  • 自分の人生は自分で作る。

南部さんの子供も、米国のIBリーグから日本に帰ってきてフリーターをしていたが、フリーターは生きづらく、商社へ就職。
そして、3年後、独立した。

この講演会で一番こころに残ったのは、「やるかやらないか?迷ったらやる。」だ。そして、自分の人生は自分で決めろ。チャレンジしろ。体力をつけろ。と教えてくれた。

本当にその通りだと思った。

サラリーマン引力は思ったより強い

※2012/02/17 21:48 カフェにて。

うする?このメール送る?
そう思って作ったのは、会社を辞めるのを引き延ばすために書いた1通のメール。


社長さん、

決めました。
もう、“これしかない”です。

結論としては、2012年の12月まで今の会社で働きます。

本当に申し訳ございません。。。

あれから迷いに迷いまくったのですが、やはり僕は、“エイヤー”って自分の人生を決めることができない“意気地なし野郎”です。

いろいろ相談させて頂いていたのに、本当に申し訳ございません。

成功したいとか、独立したいという気持ちに嘘はないのですが、“失敗したくない”という気持ちが強すぎます。

それが、2012年12月になったら変わるのか?と言われれば、そのときはまた、2013年には・・・となってしまうかもしれません。

本当に申し訳ございませんでした。

■追伸

ただ、社長さんにはコンサルを引き続きお願いしたいのですが、そんなムシのいい話しは、ダメですよね?


そして、このメールを送った後日、上司や先輩に、「やっぱり辞めるの止めました。」と言って、謝るという、なんとも情けない事態になってしまった…。


※パソコンにあったワードの文章はここで終わりです。ここで終わったら、さすがに読んでいる方に申し訳ないので、その後のことを追記として書いておきます。


追記:その後と現在

この後、僕は、2012年3月~12月の9か月間の土日を使って、独立の準備を本格的に行い、2012年12月末に、超お世話になった会社を辞めて独立しました。(また、その9か月間は、会社への恩返しも含めて、超一生懸命働きました。)

独立後は、コンサルをしてくれた社長さんの教えの元、会社員と自営業者の違いである収入が安定しないことや、やることは、全て自己責任自分のことを守ってくれる後ろ盾が一切ないということを身に沁みながら、色々と試行錯誤をして必死にやってきました。(このころは、不安で寝れない日もあったけど、毎日をがむしゃらに生きていて、「あぁ、今日も精一杯生きたな。」と、不思議な充実感がありました。)

そして、現在は、おかげさまで、独立をしてから3年目になり、無事に結婚もして、個人事業主としての活動を継続中です。(また、その後、大きな出来事としては、盲腸と腸閉塞の合併症になり、死にそうになりました(笑) → ご参考:盲腸から腸閉塞(開腹手術あり)のフルコースを喰らって1ヶ月以上入院した話

個人事業主は、先に挙げたデメリットもあるけど、仕事の全てを自分の自由に決められることや、頑張れば頑張るほど報われるなどのメリットもあるので、今では結構気にいってます☆

最後に

今回、たまたま自分のパソコンを整理して見つけたこの『独立までの軌跡』というお話が、独立や転職を考えている人や、これから就活を始める学生の方、もしくは、今の会社で頑張ろうと思っている人など、この文章を読んでくれた全ての方に、何かしらのお役に立てたらとても嬉しいと思います

※今回の記事は、かなりの長文になってしまいましたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。

追記:会社を辞めて独立したいと思っている方へ

この文章を書いてから数年が経ちましたが、先日、会社員の方が独立する前に考えておいたほうがいいこと、知っていたほうがいいことをまとめました

もう、独立しかない!と思っている方は、会社を辞める前に一読ください。きっとお役に立てると思います。 → 会社員の方が独立したいと思ったときに読む記事

当ブログを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。このブログが、少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。また、もし少しでも共感することがありましたら、また読んでいただければ幸いです。私も、読んでくれる方が多くなると、ブログを更新するモチベーションにも繋がりますm(__)m

この記事を書いている人のプロフィールはこちら → 川口浩治プロフィール
書いた本はこちら → 書いた本


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